セミナーハウス(その12)

朝「これで帰ります。俺に何か出来ることがあったら連絡してください。」と挨拶に来たので、一昨昨日、合宿の前に本郷の見学に行き、A君とOさんに案内してもらったが、震災の影響で図書館以外は校舎には入れなかったと話すと、「そうでしたか。俺、本郷に居るので次に来ることがあったら連絡してください。中を案内します。」といってくれた。社交辞令も言えるようになった。見学者を校舎内に入れないのが大学の方針なら、駆け出しの彼がさすがにそんな勝手なことはできないだろうということは予想できた。夏のオープンキャンパスが中止になった年だった。そして、「しっかり勉強してください。」「はい。」という会話と共に握手して別れた。(俺もしてる)その後彼らのグループが使用していた講堂を通りかかると、外に大量のゴミ袋が出されていた。夥しい数のアルコールの空き缶、空き瓶の山である。暑い暑い夏の日であった。余談であるが、前日とても暑かったので僕の最後のコマ(数学)が終わってから真っ暗の食堂に行ってみた。そこに自動販売機があるのを知っていたからだ。ところが、売切,売切,売切,・・・。(有限)定数数列、これは等差数列とも等比数列ともとれる厄介な代物だ。まだ食堂で洗い物をしていたおばさんに、「あの、○○○売り切れなんですけど。」と訊くと、「ごめんなさいね、今日高校生の団体が泊まっていて、そういうときは事前に業者に頼んで止めてもらうの。」という。(なんて迷惑な奴らだ!)一瞬で心が冷えた。仕方なくセミナー室に行ってみると、生徒達はこっちの気持ちを余所にひたすら勉強している。(少しは気を遣え)中へ入ると、相変わらずの紙の音・鉛筆の音・消しゴムの音の三拍子、ワルツである。時々入る関さんのマイクの声も意外と心地よい。またワルツのリズムが戻る。くだらないことを考えているうちに先程のことはすべて忘れていた。間奏にリスニングも流れる洒落た空間だ。しかもここはクーラーが効いていてとても涼しい、眠くなる。これはいかん、と考え部屋に戻って休憩し、一時間程してまた行くと、ちょうど終わったところだった。