2022-06

セミナーハウス

セミナーハウス(その13)

部屋に戻る者、残って余韻を楽しむ者がいる中、部屋へ移るように促した。部屋といってもそれぞれの建物がぽつんぽつんと離れて建っている。30分ほどしてから、関さんと貸し切りの長期館を尋ねた。長期館はそれ自体が小さなセミナー室をもっていて、3人掛け...
セミナーハウス

セミナーハウス(その12)

朝「これで帰ります。俺に何か出来ることがあったら連絡してください。」と挨拶に来たので、一昨昨日、合宿の前に本郷の見学に行き、A君とOさんに案内してもらったが、震災の影響で図書館以外は校舎には入れなかったと話すと、「そうでしたか。俺、本郷に居...
セミナーハウス

セミナーハウス(その11)

20分ほどして彼はそろそろ向こうの会に戻らなければならないと言ってマイクを返し後ろへ向かう。今回彼は電気化学会・夏の学校の幹事としてたまたま滞在しているということだった。数名の生徒達は握手を求めた。年の近い彼の話に同調するところがあったのか...
セミナーハウス

セミナーハウス(その10)

彼は自己紹介をしながら彼の研究(錯体がどうのこうの)や思いを生徒に話す。俺はまだ駆け出しのぺーぺーなんだけど、資源のない日本が欧米の先進国と闘っていくには、国の研究力が大きな資源であるというようなことを言っていた。そしてその研究力を身につけ...
セミナーハウス

セミナーハウス(その9)

19:30に10コマ目の数学が始まった。マイクで指示すると生徒達は慣れたもので一斉に同じ問題に取りかかる。紙と鉛筆と消しゴムの音だけが相変わらず心地よい。15分程経ったところで鉛筆の音に変化がある。躓くところだ。そこで必要な公式を黒板に書き...
セミナーハウス

セミナーハウス(その8)

さて、昼食前の短い時間であったが久しぶりに彼と密度の濃い会話ができた。きちんとした会話であった。また、高校生数十名がここで勉強していることをいい、何か話しに来ないかと誘った。そして僕の担当する時間帯を伝えて別れた。食堂には、大学のサークルや...
セミナーハウス

セミナーハウス(その7)

味のあるとはとても言い難い数式の山の中に必ず鍵となる要素が含まれていて、何より答えが一致した。そこからも普段の彼の学習量は充分に想像できるが、いわゆるミミズの這ったようなしかし数学が得意な生徒に有りがちな字を育ててきた環境に興味があった。春...
セミナーハウス

セミナーハウス(その6)

今何をしているのかと常套の文言を返すと、名刺を一枚ずつ我々に手渡した。円の中に黄色と青色の銀杏の葉っぱ収まっているちょっと生意気そうなそれだった。彼を見て、ある日の授業風景が頭を過ぎった。彼は始業チャイムが鳴っている間に入ってきて最前列の廊...
セミナーハウス

セミナーハウス(その5)

そして食堂のある本館に向かう。楔を大地に打ち込んだような本館の外観は何度見ても安定しない。少し遠回りの道を選んで二階から入ることにした。食堂は三階にあり、昼食はどの団体も12時からの1時間と決まっている。館に入ると既にソファーに座っていた関...
セミナーハウス

セミナーハウス(その4)

青年は、ん?、あ?、と小さな声を発して一瞬立ち止まり、そして通り過ぎていった。その音に何かしら懐かしさを感じたような気がしたがすぐに忘れていた。広い敷地内に点在する変わった形の建物を見ながらのんびりと散歩して時間を潰し昼時を待った。生徒たち...