名もない数学塾

適当に信大の辺りから一周すると、松本ゼミナール、いずみ塾、シンクス、アリス学習塾、公文式、八木塾、理文塾、学習空間,WAM,スクールIE などざっと10の塾がある。車で回りながらであるから見落としがあるかもしれない、その倍の20くらいの塾はあるのだろう。どれも聞いたことのある塾ばかりだ。
塾のにぎやかなコースから道を一本はずれてアピナボウル城山(ボーリング場)を通って南に向かいひとつ交差点を直進すると今井塾がある。まず、気づかれない場所に小さく存在する。17時から生徒さんが数学の学習をしている。おかげ様で充実した時間割にしてもらい、中1生から高3生までの生徒さんと数学の会話を毎日楽しませてもらっている。
教員の頃は40人くらいの授業であっても黒板の説明と生徒のペンの動きで各々の授業の理解度や躓きが伝わってきたが、塾では今学習している生徒さんの数学がより明確に私に伝わってくる。長年の経験から問題に対してどのように解き進め、どこで困って手が止まるかが瞬時にわかる。離れた場所に座っていても生徒さんがどの解法を選びどのように式を立て計算を進めているか、どの部分で手が止まっているか。私も生徒さんが選んでいるだろう解法で生徒さんが行っているだろう計算を同時に机で追ってみる。そして困る予定の個所で自身で解ききるためのヒントや類題の提示を準備するのが毎回の私の仕事である。そしてどの生徒も実際に自身の力で答えにたどりつく。代わりに解いて見せることやいわゆるうまい方法を見せることはとても簡単であるが、それは生徒の数学を育てることにはならない。それぞれの生徒さんには同じ手法を選んだとしてもその後のわずかな方針の違いや計算法の違いがあり、それを勝手な判断で矯正のようなことをしてはいけないことを私は知っている。本人の数学を最大限に尊重してそこに我々の数学の会話が成り立つように共通理解を少し増やしてもらう、そんな感じである。
塾の生徒さんはそれに慣れていて、私が直接ノートをのぞき込まなくても我々のすべての数学の会話がきちんと成立している。とくに個別講座に関しては他の塾とは全く違う授業形態であることは想像がつく。80分の授業のテンポはかなり速い、そして必要なところでは十分な時間をかけて考えてもらう。おそらくそれが気に入っている生徒さんもいるのだろう。今のところ個別講座の時間割に空きがない。個別を希望するなら来年の1月以降から、たとえば2月からなどが今井塾の数学を始めるのによい時期なのではないかと思う。