青年は、ん?、あ?、と小さな声を発して一瞬立ち止まり、そして通り過ぎていった。その音に何かしら懐かしさを感じたような気がしたがすぐに忘れていた。広い敷地内に点在する変わった形の建物を見ながらのんびりと散歩して時間を潰し昼時を待った。
生徒たちは国際館と2つの長期館に男女別に分かれて滞在している。一つひとつの部屋の造りが独特で印象に残る。各部屋は2人から6人くらいだが,段差や曲がり具合の形により一人ひとりの空間がきちんと確保されている。各自にベッドと机とスタンドがあり夜遅くに学習していても他の人に迷惑はかからない。全員学習は大学院セミナー室と中央セミナー室を用意した。大学院セミナー室は100人くらいが入れる明るい人気の建物、80名くらいの中央セミナー室はキノコのような形の建物で、低い位置に窓があるだけで集中して学習できる環境になっている。ゲゲゲの鬼太郎の家を大きくしたものと想像すればよい。大学セミナーハウスは公園のような大人の遊園地のような空間で建物の中も外の小道もすべてが学習効果を高めている。数学オリンピックの世界大会参加者の合宿でもときどき使用される。様々な大学の研究室のゼミ、大学教員のワークショップ、大学のサークル、高校生のグループが同時期に滞在していた。僕はさくら館に滞在し、そこに40人くらいが入れるセミナー室を夜間や早朝の自習室として用意した。

