セミナーハウス(その11)

20分ほどして彼はそろそろ向こうの会に戻らなければならないと言ってマイクを返し後ろへ向かう。今回彼は電気化学会・夏の学校の幹事としてたまたま滞在しているということだった。数名の生徒達は握手を求めた。年の近い彼の話に同調するところがあったのかもしれない。また、少し睨んでいるような目で見つめている生徒も印象に残った。短い時間だったが皆の心をしっかりつかんだ彼は立派であり我々にしっかりと貢献してくれた。同時に頭の中の彼が大きく成長した。彼は東大理学部を卒業後、引き続き修士課程・博士課程を終了し学位(理学博士)を取得、当時(そうとう昔)は東大大学院理学系助教として大学教員をしていた。フランスの大学の客員教授でもあった。Japan Prize FoundationのHPには、夏のストラスブルグで2週間過ごせたとは羨ましい限りです。1990年代を中心にストラスブルグの北方30㎞位のところにあるSoultzという村で、EUの地熱開発現場実験に何度か参加しました。実験の合間に、ドイツから来た友人に自転車を借りて、周辺のボージュの森や丘を走りましたが、ワインやビールはうまかったですね。次回、訪問の機会があれば是非郊外にも足を延ばしてみて下さい。というコメントに、「ありがとうございます。市内だけでなく、郊外の街や名勝(例えば、サンオディール山)を訪れたりする機会がありました。アルザス・ワインも楽しみましたし、ドイツ側に行ってビールも堪能しました。」とある。大学はいいなあ。彼の研究内容は難しくてわからないので割愛させてもらうが、平たくいうと、一生懸命勉強すれば自分のやりたいことに研究費をつけてくれる、ということだろうか。以上は素人の僕が書いているので間違いが多いかもしれない。また、彼は若い人たちへの研究の紹介にも取り組んでいた。「やさしい科学セミナー」で若い世代に実験を交えた講演をしている。そのときの感想に、やはり実演はインパクトがあります。S本先生がブラックライトを当てて光った時の「おぉぉ~」という歓声が印象的でした。先生も慣れないセミナーで大変だったと思います。後半の実験でブラックライトを当てると蛍光色がパッと浮かび上がったところでは皆さんの驚きの顔が印象的でした。とある。何はともあれ当時の面影を残しながらも彼は人として大きく成長していた。